カオルくん 茶屋町 勝呂 (2000/07) 大洋図書 この商品の詳細を見る |
アマゾンでは年齢確認をされるが、BLというよりもカオルくんを通した人と人とのつながりだと思う。ラブはラブでも人間愛。
はっきりとした絵が好きで、読み終わった後に何かを考えさせられるような作風が好きな作者さん。「カオルくん」は特にさりげない優しさの伝わる話にほろっとくる。
カオルくんの成長に合わせた短編が3篇と、他の短編が2本。
幼少期のカオルくんは虐待を受けアザだらけで痛々しいが、不法就労のユニさんがほっとさせてくれる、ユニさんの優しさに触れて素直なまま大きくなれたのではないか。
よく言えば素直なカオルくんは少々不思議ちゃんが入っている感性の持ち主でもあり、その辺は好き嫌いが別れるそうだが、ずっとで素直さを忘れないでいて欲しい。
幼少期後の2編は多感な時期の動の心の動きが、感情の起伏の少ない静のカオルくんを通してよりくっきりと描かれている。
カオルくんにかかわる大人たちの不器用な生き方と、それぞれの愛情表現に、いろんな「好き」の形があるとおもう。