「ドクター×ボクサー ボクサーは犬になる」 CDドラマ イメージ・アルバム、伊藤健太郎 他 (1999/08/21) |
ボクサーは犬に勝つ ドクター×ボクサー(7)剛 しいら
ドクターは犬に勝つ―ドクター×ボクサー〈6〉 / 剛 しいら
ボクサーは犬と歩む―ドクター×ボクサー〈5〉 / 剛 しいら
ボクサーを犬は癒す―ドクター×ボクサー〈4〉 / 剛 しいら
ドクターは犬を愛す―ドクター×ボクサー〈3〉 / 剛 しいら
ライバルも犬を抱く―ドクター×ボクサー〈2〉 / 剛 しいら
ボクサーは犬になる―ドクター×ボクサー〈1〉 / 剛 しいら
ドクター×ボクサー。そのまんま外科医の加藤と高校を中退してボクサーになるため上京してきた橋口徹の話。
外科医の加藤は、飼っているボクサー犬の散歩の途中にトレーニングをしてる徹を見かけ、思いを募らせていた。
募らせた気持ちが行き着いた結果、犬が苦手な橋口にボクサー犬に引きを嗾けて襲わせ、治療に託けて自宅に連れ込み拘束監禁、というなかなか強引な始まり。
体力としての力は圧倒的に勝っている橋口を、はじめは逃げないよう縛り付けているものの、家族愛にも飢えていた徹が次第に加藤の愛情にほだされてゆく過程と、全面的に信頼を寄せるようになるまでが「ボクサーは犬になる」で書かれている。
世界を目指すボクサーの徹のボクサー生活と加藤との生活のどちらを取るかとの葛藤と、行過ぎた愛情と、やり方に問題があっても地位も何もかも捨ててもいいと決心するほど徹を愛している加藤と、犯罪まがいの愛情のやり取りながら、彼らにかかわる人物もストーカーなどかなり度合いで狂気じみていて先生加藤の強引さも霞むほどで強烈な濃いJUNE世界。
(JUNEに掲載されていた話です)
執着と束縛から始まる強引な展開には驚くけれど、愛情の形はそれぞれがあっていいんじゃないかと思えてくるから不思議。
濃い人間たちを二匹のボクサー犬がつなぎ、苦手だった犬と仲良くなっていく徹に和めたり、内容はドロドロしているが読後感は悪くない。
犬たちも、いないと話が成り立たない重要な位置にいて、だんだん可愛く思えてくる。
その後も加藤と徹を取り巻く人間関係の中で事件が起こって話が進んで行き、徹のライバルのボクサー、東が登場時のイヤミぶりを裏切ってカッコいい。
剛しいらさんはまず執筆ペースの速さにく驚くけれど、さらにいろんなタイプの話を書かれているのにも驚く。