幻月楼奇譚 今 市子 (2004/08/25) 徳間書店 この商品の詳細を見る |
鶴来升一郎(つるぎしょういちろう)は、老舗の高級味噌屋の若旦那。名だたる「道楽息子」で器用貧乏の変わり者。そんな彼のご贔屓は、怪談にしか能がなく、金次第でなんでもする曲者の幇間(たいこもち)・与三郎(よさぶろう)。嘘か真実か若旦那、与三郎に言い寄って!?吉原の料亭「幻月楼(げんげつろう)」の座敷を夜ごと彩るのは、人の世の欲望とあやかしが織りなす不思議語り。
BLのくくりにしていいのかと悩みつつ、BLに分類されているのでいいのでしょう。
昭和の初期という時代設定が作者の絵と良く合っていて、雰囲気がある。
ボーイズがラブしてるよりもホラー&ミステリー要素の強い話しがつづられているが(そもそも升一郎も与三郎も大人なのでボーイズじゃない)、ふとしたところに出てくる升一郎と与三郎のやりとりが絶妙にいい。
いつも与三郎は本気か遊びかわからない若旦那の誘いをはねのけ、ドタバタと掛け合い漫才のようなやりとりをしているが、ところどころで見せる艶っぽいやりとりのチラ見せにはまる。
一話完結のシリーズ物なので、これで終わりじゃなく続きを見てみたい。
重くなりがちなホラー話も升一郎たちのテンポのいい掛け合いのおかげでコミカルになり、読んでいて楽しいし、ちょっとした謎解きのドキドキ感も味わえる。
話の筋がしっかりとしていて、一話の中に謎解き、ホラーにロマンスにと盛りだくさんでおもしろい。
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