ポーの一族 (1) 萩尾 望都 (1998/07)小学館
ポーの一族 (2) 萩尾 望都 (1998/07)小学館
ポーの一族 (3) 萩尾 望都 (1998/07)小学館
青い霧に閉ざされたバラ咲く村にバンパネラの一族が住んでいる。血とバラのエッセンス、そして愛する人間をひそかに仲間に加えながら、彼らは永遠の時を生きるのだ。その一族にエドガーとメリーベルという兄妹がいた。19世紀のある日、2人はアランという名の少年に出会う…。時を超えて語り継がれるバンパネラたちの美しき伝説。少女まんが史上に燦然と輝く歴史的超名作。
人の血を吸い、薔薇を食べ、永遠の命を繋ぐバンパネラ(吸血鬼)という耽美の王道の作品だとは知っていたけれど、読んだのは最近になってでした。
とりあえず読んでみなさいと送りつけられ(笑)、初めは絵柄に慣れず読み難かったものの、話が進むとこの話とこの絵は切り離せない物だと知り、目が慣れると細部まで描きこまれた美しさに惹かれる。
歴史的名作といわれるのも納得。
これを読んで萩尾望都にはまって「トーマの心臓」などいくつか読んでみた中で「百億の昼と千億の夜」が面白かったです。(※BLではないです)時間も世界も宗教観も全て越えたラストにびっくりして衝撃。
14歳のまま時を止め永遠の命をもつエドガーの孤独と、愛する者を仲間にする葛藤など、繊細な心の動きがつづられて世界にはまる。
あと、時間の使い方が面白く、オムニバス形式で進められる話は収録によって順番が違うらしく、どれがいいかはわからないが、漫画ならではの時間を行ったり来たりさせたり、引用されるマザーグースが不思議な空間にいるようで、バンパネラのいる異世界に連れて行かれるような気分になる。
エドガーとアランとメリーベルの関係が美しくも儚い。
と、普通では歯の浮くような美辞麗句がはまってしまうのがこの作品。
B級グルメ倶楽部 2 フロンティアワークス (2005.11)
2巻が出た!と喜んだシリーズ。
1巻で再会を果たした吉野と鬼塚がさらにラブラブになっていく、というかバカップルになっていって、やたら吉野が可愛い。
吉野と鬼塚の初エッチを目撃した弟が成長して出てきて、それも美人に成長していて、性格も成長してずいぶん気合いの入った性格に育っていておまけにバイにも成長。
吉野鬼塚カップルを中心に周囲を巻き込んだドタバタラブコメディが楽しい。
今市子さんは焦らされる距離感にたまらなく萌えるのが、ここでも健在で、すれ違ってこじれながらも互いを思い合うバカップルが微笑ましくて笑い萌えがある。お得!
吉野くんのお姉さんにも注目。
プライベート・ジムナスティックス 1
プライベート・ジムナスティックス 2
プライベート・ジムナスティックス 3
ダ・ヴィンチのBL芥川賞候補にも上がっていた「プライベート・ジムナスティックス」。
【候補】
『箱の中』『檻の外』/木原音瀬
『落語家シリーズ 花扇』/剛しいら
『そして恋がはじまる』/月村奎
『プライベート・ジムナスティックス』/藤たまき
『楽園まであともうちょっと』/今市子
『恋をしましょう』/西田東
好きな作品が挙がってる!
「プライベート・ジムナスティックス」はアイススケートの世界を描いたスポーツもののボーイズラブ。
線の細いふわふわした絵柄が独特で好き嫌いが別れそうですが、読み進めると愛着がわいてきて引き込まれます。
可愛く中性的なオトコノコが登場するだけの雰囲気ものではなく、しっかりとした話の構成で読ませるタイプの作家さんだと思います。
アイススケーターとしての成長に悩むカンナの前に現れたセラは、好きだ好きだと強力プッシュ。
天才肌のセラ(←金髪碧眼)を前ににスケート選手としての成長の壁に悩んだり、周囲の期待にこたえようとするあまり、セラの気持ちに素直にこたえられずまた悩み、壊れてゆくカンナの真面目すぎるがゆえの葛藤は読んでいても胸が苦しくなります。
カンナとセラの関係が主軸のスケートというか、揺れる恋愛事情を描いた作品。劇的な展開はないけれど、悩み続ける心の動きの表現がうまく、話が進むごとに入り込んでしまいます。
過剰なほどの自信と実力を持つセラは周囲には口が悪いけれど、カンナには健気でちょっとしたことで浮かれている喜び具合がかわいい。それだけに辛い別れがあったりするのだけれども、最後はハッピーエンドと言えるのではないかとおもう。
カンナとペアを組む女の子が出てくるけれども、ナチュラルで可愛く好感が持てる。自分には意地悪なセラとカンナが仲がいいことに嫉妬もするし、ふたりの関係を理解して行く過程も変に物分りが良かったりしない。
女の子だけでなく、カンナとセラを取り巻く脇役たちも魅力的に描かれている。
悩む男の子の話が読みたい気分の時には特にオススメ。
カオルくん 茶屋町 勝呂 (2000/07) 大洋図書 この商品の詳細を見る |
アマゾンでは年齢確認をされるが、BLというよりもカオルくんを通した人と人とのつながりだと思う。ラブはラブでも人間愛。
はっきりとした絵が好きで、読み終わった後に何かを考えさせられるような作風が好きな作者さん。「カオルくん」は特にさりげない優しさの伝わる話にほろっとくる。
カオルくんの成長に合わせた短編が3篇と、他の短編が2本。
幼少期のカオルくんは虐待を受けアザだらけで痛々しいが、不法就労のユニさんがほっとさせてくれる、ユニさんの優しさに触れて素直なまま大きくなれたのではないか。
よく言えば素直なカオルくんは少々不思議ちゃんが入っている感性の持ち主でもあり、その辺は好き嫌いが別れるそうだが、ずっとで素直さを忘れないでいて欲しい。
幼少期後の2編は多感な時期の動の心の動きが、感情の起伏の少ない静のカオルくんを通してよりくっきりと描かれている。
カオルくんにかかわる大人たちの不器用な生き方と、それぞれの愛情表現に、いろんな「好き」の形があるとおもう。
クマとインテリ basso (2005/05/14) 茜新社 この商品の詳細を見る |
BL名義はbassoさん。
表題以下7編の短編集。
ジェラートの話の続きが OPERA Vol.1-basso/紳士特集にもある。
OPERA Vol.1-basso/紳士特集- アンソロジー、basso 他 (2005/12/15) 茜新社 この商品の詳細を見る |
はっきりとした荒い絵柄とエスプリの効いた台詞の間が独特。
初老の政治家が出てきたりと、どう見てもボーイズがラブではないのでメンズラブ?大人の魅力、くたびれたオジ様が好きならたまらないオヤジ受けです。
おまけに眼鏡にスーツなパラダイス。イタリア男だけはそんなに来なかった。
表題のインテリおじ様とジェラートがオイシそう。
クマとインテリのクマも綺麗なクマなのでがっちりむっちりではなく、おしゃれなクマさんでした。
ただ、雰囲気ものなので、ぎゅっと詰まったストーリーはないけれど、日常の一コマを切り取ったようなやり取りのなかで見せてくれる色香と人間らしさが楽しめる。
そして一話ごとに独立した短編でありながら、共通の登場人物が出てきたりして、こんなところに出てきてる!と楽しめる。
クールに見せかけて案外情熱的なのはイタリア男だから?
我らの水はどこにある 山田 ユギ (2002/05/29) 芳文社 この商品の詳細を見る |
「失踪したお坊ちゃまを探す世話係。
世話係は10歳年上でメガネ受け」
この条件だけで、もーどうしようっていうくらい萌えられるならこの漫画にも萌えると思う。
担当から出されたというお題は悪くないけど、いかにもお題から作りましたという雰囲気。
萌えお題からではなく、テーマがあって作られる話の方が好きなので、これは前評判につられてハズした。
単に好みの問題だけで、ちゃんとお題を周到しているし、起承転結もあって絵柄も好みさえ合えばキレイ。人捜しをしたり事件が起こったり、最後には綺麗に締って終わるので合う人には面白いと思う。
ただ、あまりにもBLです、萌え条件です、エッチしてますよ、どうぞどうぞと並べられると萌えるに萌えられなく、与えられすぎてもダメだったみたい。
当たり前のように男が男に夢中でプロポーズをする。しかも二組も。
女が一人出てくるけれど、美人で金持ちなのに趣味で風俗嬢で乱暴者の力持ちで、物わかりのいい理解者。
年上メガネの受けは当然モテモテ。もちろん男から。
5年ぶりに再開したお坊ちゃまは、年上メガネ属性の世話係受けを人さらいだっこで連れ去る。もちろんいく先はらぶほ。
幼い頃素直だった筈の攻めが変わってしまったのは自分の所為だと思いこみ、年上メガネ受けがやろうとするのはエッチ。
それでいいのかと疑問は一切無く、エッチは未遂を繰り返し、事件が続いてゆくのでした。
話は普通にお面白いし、お坊ちゃま攻めの大きくなった姿はガテン系ガタイでカッコイイです。